「雪の降る街を」はもともとは、NHKのラジオドラマ「えり子と共に」の冬の場面の挿入歌として |
作られた曲である。 ドラマは昭和24年10月から27年4月まで放送された。 |
戦後の荒廃した時代に、大学教授とその娘えり子が「本当の幸せとは何か」を模索しながら |
生きていく姿を描いた、内村直也原作のドラマで、大変な人気を博した。 |
それが「ラジオ歌謡」で取り上げられ、広く愛唱されるようになった。「ラジオ歌謡」は「さくら貝の歌」 |
「あざみの歌」「山小舎の灯」など、いまも歌い継がれる数々の名曲を残したが、この曲もその1つです。 |
歌の舞台は特定していなかったが、昭和48年旭川に決まった。その年、旭川で全道高校演劇発表大会が |
催され、開会式で北都商業高校の合唱部員が「雪の降る街を」を歌った。透き通るような学生たちの歌声が |
審査委員として列席していた内村直也をうならせてしまった。「こんなに心にしみる合唱を耳にしたには初めてだ」 |
と感激した内村は「この歌の舞台が旭川であると決めさせてほしい」という願いを聞き入れ、 |
それを証明する意味で、歌の一節を記して贈った。 |
その証明書は丁寧に表装され、旭川北都商業高校に飾られている。 |